造船用鋼材を製造する上場企業|割安バリュー株はどこか?
目次
1. 国策として再浮上する「造船産業」
2. なぜ造船用鋼材メーカーが注目されるのか
3. 造船用鋼材を供給する主な上場企業
4. 鉄鋼セクターはなぜ「割安」に放置されやすいのか
5. 国策×バリューで狙う投資戦略
6. 銘柄選定のざっくり指針【投資家向けまとめ】
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1. 国策として再浮上する「造船産業」
造船業は近年、中国・韓国勢の台頭により日本の存在感が低下してきました。しかし現在、高市政権下において造船は**「経済安全保障と防衛を支える極めて重要な基幹産業」**として再定義され、明確に国策テーマへと昇格しています。
政府は造船を重点投資17分野の一つに位置付け、
・国内建造能力の倍増
・造船所への設備投資支援
・政府主導ファンドや補助金の創設
といった大胆な支援策を検討中です。
この流れは、造船会社そのものだけでなく、造船に不可欠な鋼材を供給する鉄鋼メーカーにも確実に波及していきます。
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2. なぜ造船用鋼材メーカーが注目されるのか
船舶建造では、通常の鋼材ではなく
・高強度
・高靱性
・溶接性
・耐食性
を兼ね備えた高機能鋼材・厚鋼板が必要になります。
特に、LNG船・環境対応船・防衛艦艇では、高度な技術力を持つ国内メーカーでなければ供給できない分野が多く、価格競争に陥りにくいのが特徴です。
つまり造船国策は、高付加価値鋼材を手掛ける鉄鋼メーカーにとって収益改善の追い風となります。
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3. 造船用鋼材を供給する主な上場企業
■ 日本製鉄(5401)
国内粗鋼生産首位。
造船向けでは
・高アレスト鋼
・HTUFF鋼
などの高機能鋼材や厚鋼板を供給。
環境対応船やLNG船向け需要も取り込みつつあり、造船国策の中核銘柄といえます。
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■ JFEホールディングス(5411)
JFEスチールは造船用厚鋼板に強みを持ち、
TMCP技術による
・高強度
・優れた溶接性
を両立した鋼板を幅広く展開。
商船から特殊船まで対応可能で、実需に直結するポジションです。
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■ 日本製鋼所(5631)
鋳鍛鋼品の大手。
タンカーのタンク壁に使われるクラッド鋼板や、防衛艦艇向け高機能鋼材を一部供給。
造船×防衛という文脈では、サテライト的に注目したい銘柄です。
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4. 鉄鋼セクターはなぜ「割安」に放置されやすいのか
東証全体を見ると、鉄鋼セクターは
・PBR1倍割れ
・PER10倍未満
の銘柄が非常に多いゾーンです。
理由は
・景気敏感株
・市況産業というイメージ
・ESG逆風
などが重なり、構造的に過小評価されやすいためです。
しかし今回は
「国策(造船・防衛)×高付加価値鋼材」
という明確なテーマが存在します。
特に日本製鉄やJFEは、国策恩恵を受けながらも低PBRで放置されやすく、素材バリュー株として拾いやすい局面にあるといえるでしょう。
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5. 国策×バリューで狙う投資戦略
短期テーマ株として飛びつくのではなく、
・PBR1倍前後
・PER1桁〜10倍台
・安定配当
を確認しながら、押し目で段階的に拾う戦略が現実的です。
国策は一過性ではなく、数年単位で進行します。
「評価が見直されるまで待てる投資家」にとっては、非常に相性の良い分野です。
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6. 銘柄選定のざっくり指針【投資家向けまとめ】
造船向け比率重視なら
• 日本製鉄(5401)
• JFEホールディングス(5411)
防衛・艦艇色を強めるなら
• 日本製鋼所(5631)
バリュー条件の目安
• PBR:1倍前後またはそれ以下
• PER:15倍以下(鉄鋼は1桁台も多い)
• 配当利回り+国策テーマを上乗せ評価
国策造船は、鉄鋼セクター再評価の起点になる可能性を秘めています。
「地味だが強い」素材株を、今のうちに仕込む視点が重要です。

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