■ 業績リスク:トランプ前大統領の関税政策
トヨタは米国の追加関税によって、2026年3月期の営業利益が 約1.4兆円減少 する見込みです。
• 2025年4~6月期の営業利益は前年同期比▲10.9%の 1兆1661億円
• 純利益は同▲37%の 8413億円
• 米国向け輸出車の関税率は 27.5% に達し、収益に深刻な影響
短期的には大きな逆風となり、業績見通しは下方修正されています。
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■ 販売動向:欧米市場は堅調
一方で販売面は引き続き堅調です。
• 欧州:2024年販売台数は121万台超(前年比+4%)、電動車比率は74%まで上昇。2025年上半期も過去最高を記録。主力はヤリス、カローラ、C-HR。
• 米国:2025年上半期の販売台数は123万台超(前年比+4.2%)。電動車比率は48%に拡大。主力はRAV4、Tacoma、Camry。
販売台数の堅調さは、関税という外部要因がなければ業績拡大が続くことを示しています。
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■ 成長ドライバー:全固体電池と水素エンジン
◎ 全固体電池
トヨタは2006年から研究を続け、世界トップクラスの特許を保有しています。出光興産と協業し、2027年の実用化を目指しています。
• 航続距離:約 2000km
• 充電時間:5分
これは現行EVの弱点を克服する「ゲームチェンジャー」となり得る技術です。
◎ 水素エンジン
トヨタは既存のエンジンを活用しながら、水素カローラやGRヤリスで実証走行を継続中。
• CO₂を排出せず、副産物は水のみ
• 液体水素タンクやポンプの耐久性課題も技術革新で改善中
持続可能なエネルギー社会の実現に向け、次世代の選択肢として注目されています。
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■ 投資家への示唆
• 短期的には:米国関税の影響で減益リスクが顕在化
• 中長期的には:欧米販売の堅調さ+全固体電池・水素エンジンという技術革新で優位性
👉 トヨタは「短期は逆風、中長期は技術で成長」という二面性を持つ銘柄。
株価が関税リスクで調整する局面は、長期投資家にとって仕込みの好機となり得ます。

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