オーストラリアが中国のTPP(CPTPP)加盟に反対姿勢|日本への圧力と豪中対立が投資家に示すシグナル


目次
1. はじめに|中国のTPP加盟問題が再び注目される理由
2. オーストラリアの議長国としての権限と実質的「ブロック」
3. 過去の対豪経済制裁が残した深い不信感
4. スパイ・サイバー問題と安全保障リスク
5. 日本への圧力が豪州の警戒感をさらに強める構図
6. CPTPPの今後と中国加盟の現実的シナリオ
7. 投資家が注視すべきポイントと市場への影響
8. まとめ|地政学リスクと資産防衛戦略



1. はじめに|中国のTPP加盟問題が再び注目される理由

2025年、CPTPP(包括的および先進的環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPP11)の議長国を務めているのはオーストラリアです。現在、注目を集めているのが「中国のCPTPP加盟問題」です。表向きは審査継続中とされていますが、実態としてはオーストラリア主導で審査ペースが止められており、事実上の「棚上げ」「ブロック」状態にあると見られています。

この動きは地政学リスクだけでなく、国際分業、資源価格、サプライチェーン、株式市場にも影響を与える重要テーマとなっています。



2. オーストラリアの議長国としての権限と実質的「ブロック」

CPTPPの議長国は、新規加盟国の審査スケジュールや作業部会の設置ペースを実質的にコントロールできます。オーストラリアは2025年の議長国として、中国の加盟審査について「技術的議論にとどめ、実務的な審査に進めない」姿勢を取っています。

豪州メディアでも「中国の加盟問題は先送り」「日本と歩調を合わせる慎重姿勢」と報じられており、これは事実上の参加ブロックと評価されています。



3. 過去の対豪経済制裁が残した深い不信感

背景には2020年前後に起きた中国による対豪経済制裁があります。
対象となったのは以下の分野です。
• 石炭
• 大麦
• ワイン
• 牛肉
• 木材
• ロブスター

中国は関税引き上げ、輸入停止、検疫強化などを行い、豪州はこれを「経済的威圧(Economic Coercion)」と強く認識しました。特にワイン産業は中国市場の喪失により大きな打撃を受け、この経験が「中国は政治目的で貿易を止める国」という政策判断の土台となっています。



4. スパイ・サイバー問題と安全保障リスク

オーストラリアは経済面だけでなく、安全保障面でも中国への不信感を強めています。
過去には以下のような問題が表面化しました。
• 中国による政治介入疑惑
• 議員への浸透工作疑惑
• 大規模なサイバースパイ活動

2024年には豪政府が中国系とされるサイバー攻撃を名指しで非難しており、これらは単なる外交問題ではなく「国家安全保障上のリスク」として共有されています。



5. 日本への圧力が豪州の警戒感をさらに強める構図

最近、中国は日本に対しても輸出・通関・観光関連などで圧力と受け止められる措置を取っています。
オーストラリア側から見ると、これは「かつて自国が受けた行為が、日本に対して繰り返されている」と映ります。

その結果、日豪両国は対中警戒で足並みを揃えやすくなり、「日本への圧力を見ている以上、中国加盟は認めるべきではない」という論理が豪州国内でも説得力を持つようになっています。



6. CPTPPの今後と中国加盟の現実的シナリオ

現在の見通しとしては、以下のシナリオが現実的です。
• 中国加盟は中長期的に「棚上げ」
• 台湾・韓国の参加議論が優先される可能性
• 英国、日本、オーストラリア、カナダを軸とした信頼国ブロック強化
• ASEAN諸国の段階的参加拡大

つまり、CPTPPは「中国中心」ではなく、「友好国中心の経済圏」に進化していく可能性が高まっています。



7. 投資家が注視すべきポイントと市場への影響

投資家視点では、以下のテーマが重要になります。

注目ポイント
• 資源価格の変動(豪州の中国依存低下の影響)
• レアアース・リチウムなど重要鉱物関連銘柄
• 日豪間の経済協力強化によるインフラ・防衛関連株
• サプライチェーン再編に伴う物流・製造業銘柄

特に豪州は鉱物資源・エネルギー輸出先の「脱中国化」を戦略的に進めており、日本企業と連携する分野は投資テーマとして魅力が増しています。



8. まとめ|地政学リスクと資産防衛戦略

オーストラリアの中国TPP加盟への慎重姿勢は、単なる外交問題ではなく「信頼できる経済圏をどこまで広げるか」という本質的なテーマを含んでいます。日本への圧力が続く限り、日豪の連携はさらに強化され、中国のCPTPP参加は長期凍結が現実味を帯びています。

投資家としては、地政学リスクを前提としたポートフォリオ構築が、これまで以上に重要になる局面に入っています

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