目次
1. はじめに|「史上最高値圏の米国株」に潜むリスク
2. 現在の米国株指数水準(2025年末想定)
3. PBR0.8倍とは何を意味するのか
4. リーマン級暴落時の下落シナリオ試算
5. 過去の金融危機と今回の水準を比較
6. 現実的なメインシナリオとテールリスク
7. 投資家が取るべき戦略と心構え
8. まとめ|恐怖の数値を「武器」に変える
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1. はじめに|「史上最高値圏の米国株」に潜むリスク
2025年末時点、米国株式市場はAI関連投資の拡大、金融緩和期待、企業利益の拡大を背景に高値圏で推移しています。しかし、歴史を振り返れば楽観が支配した後には必ず大きな調整局面が訪れてきました。
本記事では、もしリーマン・ショック級、あるいはそれ以上の金融危機が発生した場合、米国株はどこまで下落し得るのかを、PBR(株価純資産倍率)という視点から冷静に検証します。
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2. 現在の米国株指数水準(2025年末想定)
2025年末時点の想定数値は以下の通りです。
指数 現在値 PBR0.8倍水準
NYダウ 48,458 約16,000
ナスダック 23,195 約4,100
この数値を見るだけでも、PBR0.8倍が極めて悲観的なシナリオであることが分かります。
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3. PBR0.8倍とは何を意味するのか
PBR0.8倍とは、市場全体が「純資産の2割引」で評価されている状態です。
先進国株式市場においては、
• 世界金融危機
• 大戦争
• 国家信用不安
といったシステミックリスクが発生した局面で、短期間だけ現れる水準です。
通常の景気後退や利下げ局面では、PBR1.1〜1.3倍で下げ止まるケースが多く、0.8倍は「最悪の最悪」を想定した数字と言えます。
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4. リーマン級暴落時の下落シナリオ試算
提示されている水準を現在値からの下落率で見ると、以下の通りです。
• NYダウ
• 約48,000ドル → 約16,000ドル
• 下落率:約▲65%
• ナスダック
• 約23,000ポイント → 約4,100ポイント
• 下落率:約▲80%
これは、リーマン・ショック時のS&P500(約▲50%)を大きく上回り、ITバブル崩壊級、あるいはそれ以上の破壊力を想定した水準です。
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5. 過去の金融危機と今回の水準を比較
過去の主要危機では、
• リーマン・ショック:▲50%前後
• ITバブル崩壊(ナスダック):▲78%
• コロナショック:▲35%(短期)
となっています。
**PBR0.8倍水準は、歴史的にも「滅多に到達しない最下層ゾーン」**であり、常に想定する必要はありませんが、「想定外」を想定する投資家にとっては重要な基準です。
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6. 現実的なメインシナリオとテールリスク
多くのストラテジストの見解では、
• メインシナリオ
→ PBR1.0倍前後(▲30〜40%下落)
• テールリスク(最悪ケース)
→ PBR0.8倍近辺
というレンジが想定されています。
つまり、PBR0.8倍は「来たら歴史的チャンス」であり、常時起きる前提ではありません。
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7. 投資家が取るべき戦略と心構え
重要なのは、恐怖の数値を事前に知っておくことです。
• 分割買いの最終投下ライン
• 信用・レバレッジの完全整理水準
• ヘッジ解除の目安
としてPBR0.8倍を設定するのは、極めて合理的な戦略です。
暴落時に冷静でいられる投資家は、事前に数字で「覚悟」を決めている投資家だけです。
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8. まとめ|恐怖の数値を「武器」に変える
米国株がPBR0.8倍まで売り込まれる事態は、頻繁には起きません。
しかし、その水準を知っているかどうかで、暴落時の行動は180度変わります。
恐怖を煽るためではなく、
恐怖を利用するために、最悪の数字を頭に入れておく。
それこそが、長期投資家にとって最大の防御であり、最大の攻撃力になるのです。
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