結論から言うと、プログラミングを一切書けない僕でも、AI(Claude)と対話するだけで、不動産投資の税金計算や収益シミュレーションができる自分専用ツールを1日で作ることができました。今日はその過程を、良かった点もつまずいた点も含めて正直に書いてみます。
何を作ったのか
作ったのは「AI不動産投資アドバイザー」という、自分の投資判断を助けるための分析ツールです。主な機能は次の4つです。
- 税金試算:不動産取得税、固定資産税・都市計画税、譲渡所得税、減価償却など、日本の税制に基づいた概算計算
- 投資分析シミュレーション:ローンの返済額、年間キャッシュフロー、利回り、収益還元法などによる適正価格の判定、5年後・10年後・20年後・30年後の出口戦略シミュレーション
- AI投資診断:年齢や年収、リスク許容度などを入力すると、一般的な投資戦略の考え方をAIが提示してくれる機能。しかもワンボタンで「あえて反対意見だけを言う」モードにも切り替えられます
- 国の公開データ連携:国土交通省の不動産取引価格情報や地価公示、総務省の人口推移データ、財務省の国債金利情報を、無料の公式APIから直接取得して表示
物件そのものを検索して一覧表示する機能は、あえて実装していません。理由は後述します。
どうやってAIに頼んだか
僕がやったのは、基本的に「日本語でやりたいことを伝える」ことだけです。「不動産投資の利回りを計算したい」「税金がいくらかかるか知りたい」というような依頼を投げると、AIが必要な計算式や画面を組み立ててくれます。
ただし、任せきりにしたわけではありません。作業を始める前に、いくつかのルールを最初に決めておきました。これが一番大事だったと思っています。
- 使っていいAIモデルやサーバーの種類を固定する(毎回相談すると迷子になるので)
- APIキーやパスワードは絶対にコードに直接書かず、環境変数に入れる
- 架空の物件データや存在しない店名・銘柄名を「実在するもの」として出力しない
- 公開する前に必ず自分で確認する(AIが「できました」と言っても鵜呑みにしない)
こうしたルールを最初に紙一枚(実際はテキストファイル一枚)にまとめておくと、AIが毎回そのルールに沿って提案してくれるようになり、脱線が減りました。非エンジニアがAIと組む上で、これが一番効いた工夫だったと感じています。
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つまずいた点
すべて順調だったわけではありません。特に印象的だったのが、AIの計算ミスをAI自身が見つけて直した出来事です。物件を売却したときにかかる税金(譲渡所得税)を計算する処理で、本来差し引くはずの「減価償却した分」の考慮が漏れていました。これは自分で見つけたのではなく、AIが計算結果を検算する過程で「あれ、この数字はおかしい」と自分の実装ミスに気づき、修正してくれたものです。
正直、AIが自分の間違いに気づいて直してくれたのは驚きでしたが、同時に「AIも普通に計算を間違える」という現実も突きつけられました。なので今回は、金額そのものの計算はすべてプログラムの決まった計算式にやらせて、AIには「計算結果の意味を分かりやすい言葉で説明する」役割だけを担当させる作りにしています。数字の計算自体をAIの言葉の生成に任せると、もっともらしい嘘の数字が出てくるリスクがあるからです。
もうひとつ、実際の物件情報を取得するために国の公開APIキーを申請する作業がありましたが、申請フォームが少し変わった作りで、普通の入力操作がうまく効かない場面がありました。ここはAIと二人三脚というより、地道な試行錯誤で乗り越えた部分です。物件そのものの検索機能(実在の物件を一覧で見せる機能)は、データの取得方法がまだ定まっていないため、あえて実装を保留しています。架空の物件を実在するものとして出すのは絶対にやってはいけないと考えているので、ここは慎重に進めています。
個人的に一番安心したのは、入力した年収や資産額といった個人的な情報が、サーバー側には一切保存されない作りになっている点です。診断内容はブラウザの中にだけ残る仕組みにしてもらいました。人にお金の情報を見せるのは抵抗があるので、この設計は最初にAIへ「個人情報は絶対にサーバーに送らないで」と明確に伝えたからこそ実現したものだと思います。
費用の話
今回のツールは、無料で使えるAI用のAPIを使って作りました。有料の高性能AIサービスは使っていません。国の統計データや金利情報のAPIも、登録すれば無料で使えるものだけを選びました。そのため、現時点でこのツール自体の運用コストはほぼゼロです。
Q&A:読者の2つの不安に答えます
Q1. 本当に自分(プログラミング未経験)でもできるの?
はい、できます。実際、僕はコードをほぼ書いていません。やったことは「やりたいことを日本語で伝える」「出てきたものを実際に触って確認する」「おかしいと思ったら指摘する」の3つだけです。ただし、何でも丸投げしていいわけではなく、「これはやってはいけない」というルールだけは自分で最初に決めておく必要があります。ルールを決めずに進めると、後から収拾がつかなくなる場面が出てきます。
Q2. AIの計算は信用できるの?
正直に言うと、AIも間違えます。実際に今回、税金計算の一部にミスがありました(前述の減価償却の漏れです)。だからこそ、「金額の計算そのものは決まった計算式にやらせ、AIには言葉の説明だけを任せる」という役割分担にしています。それでも100%間違えないとは言い切れないので、計算結果には必ず「概算です、詳しくは専門家に確認してください」という注記を必ず表示するようにしています。AIを信用しきるのではなく、間違いが起きても大きな実害にならない仕組みを一緒に作っておく、というのが正しい向き合い方だと感じています。
おわりに
非エンジニアでも、AIと二人三脚であれば、自分専用の分析ツールを短期間で形にできる時代になったと実感しています。ただし「任せる」と「丸投げする」は違います。最初にルールを決めること、そして出てきた結果を自分の目で確認することは、これからも続けていきたいと思います。
⚠️投資判断は自己責任でお願いします。本記事および紹介したツールの計算結果はあくまで概算であり、投資助言ではありません。重要な判断は税理士・宅地建物取引士などの専門家にご相談ください。

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